私が今居るアパートに引っ越して来たばかりの6年前にミケのノラの子猫が居た。
隣の魚屋でエサを貰っていたようでちょくちょく見掛けていた。
ノラらしく凄く痩せていたが美人なネコで、愛くるしく人懐こいネコだった。
そのうちに見掛けなくなり、どこに行ったんだろうねぇ〜とお隣と話していたのだが、1年後に右の前足を失って戻って来た。
車に轢かれたのか虐待されたのか真相は謎のままだが、発情期になると気に入らないオスが居ても3本脚の為素早く逃げる事が出来ず、春と秋に子猫製造ネコとなった。
それが3年ほど続いただろうか・・・。
またしても1年ほど姿が見えなくなった。
今度こそは車に轢かれでもして死んでしまったんだろうと誰もが思っていた。
先程隣でこんな話を聞いた。
裏の倉庫の持ち主が腐敗臭に原因を突き止めるべく掃除をしたら、ウジが沸いた3本脚のネコが死んでいたそうだ。
かなり腐敗が進んでいたそうだが、あのネコに間違いないだろうと私もお隣さんもそう思った。生まれた場所に戻ったらしい。
でも、疑問が残る。
1年も発見されないまま腐らず、今頃になって腐敗したというのはありえなくはないか?と。
突飛な話になるが、私は見つけて欲しかったのではないかと。
最初の頃は触らせてくれた子が3本脚になり一時期人間不信になって触らせてくれなくなったが、徐々に慣れ触らせてくれるほどにまで慣れたのだから。
昔、ネコは死ぬときは人目に付かない所でひっそりと死ぬと聞いた。
どうやら彼女は違ったようだ。
結果、心配していた私達に所在がわかったのだから。
名前もない、飼い主も居ないそのネコは最後何を思ったのだろう。
話を聞いていた時、少し泣きそうになった。